「おせっかい」の語源
岩手日報さん「風土紀」の記事(2020年2月17日)が、おせっかいの語源を分かりやすく書いておりますので改めてご紹介いたします。
「おせっかい」の語源は「狭匙(せっかい)(切匙)」との説がある。室町時代に既にあった台所用品で、物をすくったり、すり鉢の鉢の溝に付いたみそをかき取ったりした。
カトリックの修道会イエズス会が1603(慶長8)年に刊行した「日葡辞書」にその名がみえる。明治期まではよく使われたていたらしい。しゃもじを縦に半分に割って作ることもあった。家庭での使い道は広かった。
細かいところまで行き届く道具であったことから、世話を焼くという意味に転じ、次第に、一方的に世話をする人を指すようになった。今では、他人のために必要のないことまで立ち入って世話を焼く意味に変わっている。
「日本おせっかい達人協会」が先日、北上市に発足した。身内以外に不寛容な日本に生きにくさをなくし、多様性を認め合う社会を実現するため、他者と積極的に関わっていく。あいさつや声掛けで、思いやりや気遣いを実践するという。
もうすぐ、東日本大震災発生から丸9年となる。来年度は国の復興・創生期間の最終年度で、住宅再建、道路整備などの整備などハード面は総仕上げの年。被災地は新たなステージに立つ。
一方で、災害公営住宅の自治会など新たなコミュニティー構築や、被災者の精神的ショックを和らげる心のケアはまだ途上。人と人をつなぐおせっかいを。被災地デモ生かしていきたい。