「おせっかい」の達人へ 認定試験や出前講座
岩手日日新聞社2020年2月14日
北上市で8日、日本おせっかい達人協会(石川秀司理事長)が発足した。人と人の関係が希薄化する現代で、思いやりある〝おせっかい”をする人を増やし生きやすい社会をつくっていくことが狙い。全国初の認定試験や出前講座の開催などを通じ、おせっかいの輪の拡大を目指す。
同協会を立ち上げたのは、同市鬼柳町でリフォーム業を営む石川さん(58)。「世界を変えるおせっかい」をモットーに顧客に寄り添ったサービスを提供しているほか、2011年から志を持つ大切さを伝える「志授業」の認定講師として市内の小学校で出前授業を行っている。
英語の慈善団体が16年に発表した「世界思いやり指数」によると、世界140カ国中、日本は114位と最低レベルにあるという。人間関係の希薄化により、無関心や傍観者が多い日本で、マイナスイメージがある「おせっかい」をプラスに変え、行動できる人を増やそうと、石川さんと交流のある経営コンサルタント角田識之さん(東京都)を発案者とし、石川さんら3人で協会を設立した。
市文化交流センターさくらホールで設立総会が行われた後、全国初となる「おせっかい達人」認定試験を実施。北上や奥州、大船渡などの各市の10人が3級試験を受験し、「世界思いやり指数とは」、「「おせっかい三ヶ条とは」などの問題を解いて関心を深めた。
今後も試験を実施して認定者を増やしながら県内、全国の支部設立を視野に「おせっかい達人」の拡大を進める。石川理事長は「岩手出身の後藤新平は、人の世話にならぬよう、人の世話をするよう、報いを求めぬようとする『自治三訣』を残している。これらは県人のDNAに脈々と受け継がれている。岩手を『おせっかいの聖地』として発信していきたい」と展望を語った。